ミナ ペルホネン(minä perhonen)の2020-21年秋冬コレクションが発表された。
今シーズンのテキスタイルのモチーフはそれぞれが重なり合い、繋がり合い、素材や色や形を響かせひとつの世界観が創られており、動物や植物を主としたミナ ペルホネンらしいピースを展開している。
フィンランド語でキツネを意味する「repo」のコートには、森に集まって今日の遊びを相談している子キツネたちを配して。落ち着いた色合いながらも、グリーンやブルー、ベージュなどで構成されたワクワク感のある刺繍は、冬になる前に思いっきり野山を駆け回る子キツネたちの様子を表しているかのようだ。
「singing merrily」のブラウスにあしらったのは、楽しくさえずる鳥たちの様子を描いたプリント。グレーのストライプをベースに、淡いピンクやイエローでバードモチーフを描き、美味しい木の実や遠く渡る越境の地の話を楽し気にしている様子を表現した柄。
「life puzzle」のトップスには、様々な動物たちを描いて。それぞれの命が穏やかに繋がっている景色を思い浮かべながら絵柄を考案した。
植物をモチーフにしたパターンも豊富。青い花と蝶々を散りばめた「yume」のワンピースは、時と空間の束縛から解き放たれ、自由を与えてくれる夢の景色をイメージしたもの。花のつぼみを意味する「nuppu」 のジャケットには、小さなドットを3色の刺繍糸で施しており、不揃いなタッチで刺された糸の表情が柔らかなムードをもたらしている。
葉が重なり合い、森を成す様子を抽象的なグラフィックで表現したのが「foliage」のパンツ。ネイビーや水色、グリーンといった色彩が調和し、穏やかなハーモニーを奏でている。空に向かって真っすぐに咲く花々を彷彿とさせる「flower circle」は、太陽の光をたっぷりと浴びたイエローカラーで、重なる花弁を揺らしながら喜びを蓄えているかのように見える。
©Hua Wang