2013年3月1日(金)にヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)が2013-14年秋冬コレクションをパリファッションウィークで発表した。1969年のビートルズの曲「I Want You」でスタートし、会場はダンディでロマンチックなムードにつつまれた。
一枚の布に、巧みなドレーピングやカッティングをほどこしたワードローブは、今季も独特の美しい存在感を放つ。山本の描く魅力的な女性たちはどこか儚く、センシュアルな香りを残して消えていく。
ショルダー部分に布をつけたトップスは、見えかくれする腕まわりが印象的。いくつもの小さな折り紙を組み合わせたようなドレスは、どの角度からみても立体的なデザインが、まるで芸術作品のようだ。胸元でカットされた生地を複雑に絡ませたベアトップのドレスは、裾にむけて広がる繊細なプリーツに目をうばわれる。
黒の魅力を活かしながら、今回は珍しくヴィヴィットな色合いをとり入れた。赤桃×青、紫×オレンジなどのニットドレスは、鮮やかなバイカラーがボディの曲線を強調する。また中盤に微妙なニュアンスのスモーキーグリーンのルックを差し込み、ピュアでアンニュイムードをプラスした。
肩から広がるボリュームのあるシルエットのアウターや、アシンメトリーなスカート部分など、ヨウジヤマモトを代表するデザインも多く登場。大きく垂れ下ったつばのハットも欠かせないアイテムだ。後半に差しかかると、テーラードジャケットにワイドなブーツカットパンツのスリーピースのツインズ・ルックが登場。時代に左右されることのない、貫録のコレクションは今季も多くの観客を虜にした。