ネサーンス(NAISSANCE) の2013-14年秋冬コレクションが、2013年3月23日(土)に発表された。ネサーンスは、スタイリスト、フォトグラファー、ディレクター、デザイナーなど幅広くファッション業界で活躍する熊谷隆志が手がけるブランド。今回の東京ファッションウィークでのコレクション発表は、「VERSUS TOKYO」のオーガナイザー吉井雄一の呼びかけで実現した。ブランド初のランウェイでの発表に熊谷は、「思っても見なかったし、緊張した」とショーの直後に感想を述べた。ネサーンスのスタイルは、パリ、ミラノなど世界各都市で発生している流行を東京流にアレンジしており、バイヤーとしての経験も持つ熊谷ならではの視点が光る。
「自分と一緒に年を取っていくブランド。気軽に着られる服であってほしい」という言葉通り、大人のための上質なカジュアルウェアといった印象だ。パンツに施されたホワイトのサイドラインや、ゴムやベルトで裾が絞まったデザインのパンツなどのスポーツのエッセンスがある一方で、燕尾服を思わせるエレガントなシルエットのジャケットも。ダッフルコートは、サイドや裾をニットで切り替えて、リラクシングな雰囲気が与えられた。後半のベージュとホワイトでまとめられたスタイリングは「洗練されている」という言葉がよく似合う。
長年ファッション業界を牽引してきた熊谷に対し、ショー後のインタビューでは、日本のファッションに対して意見を求める質問が集中。日本のメンズファッションについて聞かれると、「日本はもともと洋服文化がなかったので、ファッションにルールがない。いろいろな物のミックスが一番出来る国だ」と語った。また、「日本のデザイナーは世界で常に注目されている。このようなショー形式でもっと東京から発信して、元気にしてほしい」とショーに対して前向きな考えを述べた。来シーズンもファッションウィークへの参加が期待できるかもしれない。