2013年23日(土)、シーイー(C.E)が2013-14年秋冬コレクションを発表した。The Trilogy TapesのWILL BANKHEADによるハイセンスなDJミュージックが響き渡る会場には、なんとランウェイをふさぐように中央に謎の巨大な球体が。これから何が起こるのか、誰にも予測できない状況に観客からは戸惑いの声があがった。
実は今回のコレクション発表は、デザイナーのスケートシングが制作した3Dムービーによるエキシビション。多面的なマスクで顔を隠したモデルや、1983年に公開された官能サスペンス「黄色い悪夢(the yellow of the carpets)」とルックが組み合わされた、サイケデリックでミステリックな映像が映し出された。
発表されたアイテムは、ボンバージャケットやゆったりとしたシルエットのパンツ、パーカーなど、どれもベーシックなストリートアイテム。レッドやイエローといったヴィヴィッドなカラーパンツや、スケートシングらしいグラフィカルなプリントや刺繍が、スタイリッシュな印象へと昇華している。
「劇終」とスクリーンに映し出されると、観客からはデザイナーへの称賛の声やスタンディングオべ―ションが湧きあがった。間近で服そのものを感じてほしいというショ―やプレゼンテーションが多く見られた、今季の東京コレクション。それだけに、その真逆を行く「世界観の共有」に徹底した演出は異彩を放っていた。ベーシックアイテムに詰め込まれた無数の想いを、革新的な形で表現したといえるだろう。