ミナ ペルホネン(minä perhonen) 2021年春夏コレクションが発表された。
今シーズンのテーマとなったのは「after rain」。目まぐるしく変化する社会の中で感じる“新しい希望や可能性”を、雨上がりの様子と掛け合わせたデザイナーは、そんなテーマを踏襲したキースタイルも作成。澄み切った空に、もくもくと浮かぶ雲を描いたドレスには、地上に差し込む“光”を連想させる明るいイエローで、首元にアクセントカラーを差し込んでいる。
シーズンテーマと連動し、光の陰影や雲をモチーフにしたテキスタイルも充実。例えば、雲になる蒸気が互いに繋がり合っている様子を表現した「cloud net」のトップスは、光を含んだ景色のカラーも表現したという、爽やかで優しい色彩が魅力。
またグラフィカルなデザインが目を惹く「light collage」のドレスは、森に集まる多彩な光をイメージしたもの。様々な粒子や向き、強さを持つ、予測不可能な光を再現するように、異なるカラー・かたちの幾何学モチーフを、バランスよく配列しているのが面白い。
ミナ ペルホネンが得意とする“花”をモチーフにしたテキスタイルは、春夏の爽やかなカラーと共に提案された。
中でも注目は、柔らかなグリーンをベースにした「ensoku」。そのテキスタイル名通り、小さな花たちが野原で“遠足”している様子をイメージしたというモチーフは、それぞれの小花が手を繋いでるかのような愛らしいデザイン。“人々の心の距離が離れないように”と願う、デザイナーの優しい気持ちも詰め込まれた、愛情たっぷりのドレスとして登場する。
初めてプリント柄として“チューリップ”を描いた「tulipani」は、単色の硬質な線で表現したことで、甘さをおさえたシャープな表情に。ドロップショルダーが特徴のトップスは、ゆったりとしたリラクシングなシルエットながらも、「tulipani」のモチーフをのせたことで、シックなムードへと引き寄せている。