アンユーズド(UNUSED)の2013-14年秋冬は、ダンディズムと少年の無邪気さを混ぜたような、どこか土臭さも感じさせるコレクション。毎シーズン、1点1点のモノのクオリティで買ってほしいというブランドの基本姿勢から、ベーシックで息の長いアイテムを中心とした展開だ。
また2009年から撮影しているルックに、これまで様々な人種、年齢、性別のモデルをプロ・アマ問わず起用しているのは、肌の色やジェンダーを超えてどんな年の人が着てもカッコいいものを作るという基本理念の表れだ。ブランドならではのサイズ感、レイヤード法、アイテム同士の組み合わせなどを提案しており、コレクションルックのコーディネートはスタイリストの高橋ラムダと組んで行っている。
オリジナルのテキスタイル作りや素材の選別にも独自のこだわりがあり、例えばメンズアイテムとしてはなかなお目にかかれない、シャネルツイードで知られるLINTON社のツイードをノーカラージャケットに。国産及びイタリア産などの生地を中心に使っている。
ダッフルタイプのムートンコートやひじにギャザーを入れ、スーツの生地で仕立てられたMA-1など、ベーシックでありながら遊びゴコロ溢れる発想が魅力。スエードで作られたサードタイプのジャケットは、襟が取り外され、代わりに紐が付けられ、ルックではタイのように結んでいる。一見プレーンに見えるものでもスパイスが効いていて、それでいて嫌みがない。ひとつひとつにおけるアイテムへのこだわりが、コーディネートの幅を広げる要因でもある。
ハットやサングラスなどアクセサリーにおいてもほどんどがオリジナルだが、ブーツはテキサスのRios of Mercedes(リオス オブ メルセデス)の別注品。蜘蛛の巣のステッチがユニークだ。今季、ライダースやデニム、チェスターコートなどレディースサイズの展開も増えている。