フェンディ(FENDI) 2021年秋冬メンズコレクションが、2021年1月16日(土)にイタリア・ミラノにて発表された。
360度鏡張りのトンネルに、視覚を刺激するライトとネオンカラー、錯覚の原理を利用したオプ・アート。今シーズンの会場は、それらを融合させることで、ゲームの迷路の世界に迷い込んだかのような“イリュージョン”を作り上げた。
そんな空間の中へ現れたのは、ネオンカラーのライトと呼応するかのような色彩を取り入れたメンズウェア。秋冬の定番カラーであるブラックやキャメル、チャコールに対して、宝石のようなエメラルド、バーミリオン、サフラン、オレンジ、フューシャ、コバルトといった鮮やかなカラーが、楽し気なムードへと誘い出すようだ。
コレクションの主流となるのは、クラシカルなメンズウェアであるが、今季は前述したような色使いに加え、フォルムや素材にも捻りを加えているのが印象的。例えば艶やかなシルクジャカードをダイアゴナルキルトで膨らませた、ショールカラーのラウンジコートやシャツジャケットは、コクーンのような心地の良さを贅沢に表現。
また伝統的なリブ編みやケーブル編みが紡ぐ、斬新なニットウェアも登場。襟の代わりに、“スリーブ”を垂れ下げたセーターや、カーディガンを再構築したスカーフ。そしてハイネックセータと合わせたオーバーオールも、これらの伝統的なニットテクニックによって、温かみのあるモダンな一着へと姿を変えている。
今季を語る上で欠かせないのが、ロンドンのアンダーグラウンドシーンで活躍するアーティスト兼パフォーマー、ノエル・フィールディングによるサイケデリックなアートワークだ。本コレクションの為に手掛けたという“落書き風”のカラフルな「FENDI」ロゴは、オーバーコートの一面に登場。またベーシックカラーのショート丈ベストやガウンにも、カラフルなアート作品をあしらったことで、秋冬の寒空に映える楽し気な一着に仕上げている。
スタイリングのアクセントになるアクセサリーも、今季のムードを反映させた鮮やかな色使い。レザー、マットサテンなどにディップ効果を出した「バゲット」や、フラットショッパーバッグをはじめ、FFロゴの刻印入りストライプモノグラムレザー製のクロスボディポーチが登場。またブランドのアイコンバッグ「ピーカブー」も、ノエ ル ・フィールディングのグラフィックアートで、遊び心溢れるビジュアルへと昇華させている。