アズマ(Azuma.)の2021-22年秋冬コレクションが、2021年2月22日(月)に東京にて発表された。
アズマの今季のテーマは“IF YOU ARE HAPPY,CLAP YOUR HANDS”(=幸せなら手を叩こう)。デザイナー・東研伍が15歳の時に魅了されたという、とある男子高校の不良軍団を描いた松本大洋原作の漫画を実写化した豊田利晃監督の映画『青い春』を着想源としたコレクションを展開する。
ランウェイショーは、荒々しいスプレーの殴り書きが至る所に施された、さながら不良高校のようなセットが組まれた会場で実施。「捻くれ者、ろくでなし、不真面目、劣等生のカッコよさを表現したかった。」と語る東の意匠は服作りだけでなく、自身もセッティングに携わったショー空間にも反映された。
映画『青い春』は、屋上の柵の外に立ち、最も多く手を叩けた人が学校を支配できる権利を得ることが出来る“ベランダゲーム”で対峙する不良高校生・九条と青木を巡る物語。ランウェイに登場する服たちは、そんな『青い春』で表現された“ならず者たちの青春”の格好良さをダイレクトに表現する。
全体的にルードなムード漂うコレクションにおいて、一際存在感を放つのが『青い春』の劇中シーンを転写したアイテムの数々。ブルゾン、シャツ、パンツ、ストールなど様々なアイテムが、東が影響を受けたシーンで彩られていく。
また、同じく劇中で印象的なオブジェクトの煙草とチューリップをモチーフにしたグラフィックもアイキャッチ。青春時代の反抗と美しさを表したかのような、どこか哀愁を感じさせるルードな雰囲気は不思議と見る者を惹き付ける。
ジャケットやスラックスといったドレスアイテムも総柄シャツとの合わせでルードな着こなしを提案。ただ、アイテムのシルエットは野暮ったさの無いスマートなラインで構築しており、いかにもルードボーイが嗜むスタイリッシュなフォーマルウェアの様相に仕上げている。
なお、ショー終盤には、映画『青い春』で不良生徒たちの理解者である花田先生役を務めたマメ山田本人が登場。その他モデルには東京・渋谷発のバンドであるALIEN LIBERTY INTERNATIONALのメンバーを起用するなど、セット同様キャストにおいても徹底的に世界観に拘ったコンセプチュアルなショーを完遂させた。