ヒロコ コシノ(HIROKO KOSHINO)の2021年秋冬コレクションが、2021年3月16日(火)に発表された。
シーズンテーマは、「BREAKTHROUGH:正統派の崩し」。オーソドックスを崩し、壊して、自由な心で組み立て直すことで、遊び心あふれるクリエーションに仕上げている。テーラードジャケットの襟は、裏地がちらりと覗くようなアシンメトリーデザインに。ワンピースのショルダー部分には、生地をツイストさせたかのような立体ディテールを施して、ひねりの効いたシルエットへ導いている。
“正統派を崩す”というアプローチは1つのアイテムの中だけでなく、スタイリングにも及んでいる。温かみのある素材感のチェック柄×アニマル柄ジャケットには、フラワーモチーフを施したシースルースカートをレイヤード。既存のルールに捉われない自由なスピリットで、臆することなく異素材ミックスを楽しんでいる。
ふっくらとしたキルティングのスカートには、ふんわりとボリューミーなファーコートをスタイリング。マテリアルのコントラストが、森の中で心地よいそよ風を受けているかのように軽やかなムードを運んでくる。
カラーパレットは、オフホワイトやブラウン、グレーといった温かみのあるニュートラルカラーをベースに、こっくりとしたレッドやグリーン、ナチュラルなピンクなど。ヒロコ コシノが得意とするグラフィカルな模様や、極彩色のコンビネーションはやや控えめだ。
しかしながら、内側からあふれ出てくるようなエネルギーが感じ取れるのは、自然からインスピレーションを得たモチーフを散りばめているからかもしれない。ヒョウのイラストを大胆に配したドレスや、ボタニカルパターンを刺繍したジャケットなどが目を惹いた。
なお、今シーズンは、東京ファッションウィークの期間中、オンライン上でコレクションを発表。優雅なピアノの音色とともに、森の中をモデルたちが思いのままに歩いたり、踊ったり...既成概念に縛られることなく、自らのスタイルを楽しむ自由で力強い女性像を映し出しているように感じられた。