2013年7月1日(月)、イリス ヴァン ヘルペン(Iris Van Herpen)は、パリで開催されたオートクチュール・コレクションで、ユナイテッド ヌード(UNITED NUDE)のデザイナーであるレム・D・コールハース(Rem D Koolhaas)とコラボレーションした3Dプリントシューズを発表した。
パリ・クチュール組合(Chambre Syndicale de la Haute Couture)にデザイナーとして招待されて以来5度目となるコレクションでイリスがフォーカスしたのは”自然の力”。インドから東アジアに広く分布する「ベンガル菩提樹」という植物にインスパイアされたコラボレーションシューズは、デジタル技術を駆使して作られたというよりもむしろ、自然に成長した植物のようだ。
”自然の力”が地上高く舞い上がり、そして地上に接地していく様相を描く複雑なフォルムのシューズは、世界有数の3Dプリント技術を誇る米ストラタシス(Stratasys)社の協力のもと実現した。
レムはコラボレーションについて「完全に3Dプリント技術のみを用いてシューズを制作するということは偉大な挑戦でした。制作するに当たって最も困難だったのは、シューズに適する素材を探す事、そしてそれを3Dプリントに応用する事でした。ファッションの仕事というのは常に時間との戦いですが、3Dプリントを用いることで、制作の時間を大幅に短縮する事が出来ます。今後この技術は、クリエイションにおける強力な味方になるでしょう」と語る。
また、その他にもアーティストのヨラン・ヴァン・デル・ウィール(Jolan van der Wiel)とコラボレーションしたドレスを発表。アーティストのデイヴィッド・アルトメイド(David Altmejd)の作品にインスパイアされたドレスのキーワードは”磁力”。まるで砂鉄、あるいは磁石が磁力の力でうごめいているようなドレスは、シューズと同じくコレクションを象徴する幻想的なピースとなっている。