ポール・スミス(Paul Smith)の2022年春夏メンズコレクションが発表された。
「屋外での探検」をテーマとした、今季のポール・スミス。MA-1ジャケットやオープンカラーシャツ、ニットベストといったカジュアルなウェアを独自の存在としているのは、その豊かな色彩の階調だ。
薄いクリームから、霧に濡れたようなホワイト、力強いテラコッタ、ヴィヴィッドなオレンジ、そして夜風の通り抜けるようなブルーにブラック──それら、陽が昇って闇夜へと沈むまでの空の色が、トーンオントーンの洗練されたムードで表現されている。
そうした色彩の緩やかな変幻と合わせて表情を変えるのが、向日葵の花。色とりどりのオープンカラーシャツには、花々を華やかに散りばめて。あるいは、インターシャニットやTシャツのフロントには、力強い存在感でもって大胆に配置する一方、ブルゾンやパンツには闇夜にシルエットが浮かぶかのように、色彩をブルーに抑えて一面にあしらった。
爽やかな春夏の空気に誘われるようにしてか、素材は軽やかだ。シアーなナイロン素材は、豊かな色彩をのせたジャケットなどに用いられている。とりわけ、薄い素材感を活かしたレイヤードスタイルは繊細であり、霧の底に花々が咲き誇っているかのように、力強い向日葵の柄をその下にのぞかせることで、軽やかながらも着こなしに奥行きを与えた。
ブランドを象徴するストライプ柄は、ヴィンテージのテント生地の写真から着想。Vネックのベストやハイネックのトップス、クルーネックニットを色とりどりに彩るのみでなく、袖先や首元のアクセントにも。さらに、ポーター(PORTER)とのコラボレーションによるショルダーバッグやダッフルバッグなどにもあしらわれた。