タクタク(tac:tac)の2022年春夏コレクションが、2021年8月30日(月)に発表された。
今季のタクタクのテーマは、“DIVERS(C)ITY”。坩堝のように多様なものが入り混じる“街”の空気は、春夏だけにアクティブで軽やか。リラックス感のあるシルエット、気負わぬエクリュの色みのロングコートやワンピースをまとって、軽快に街の中へと飛びでてみる。
シャツやブルゾン、クルーネックのニット、トレンチコートなど、ベーシックなアイテムを基調としたウェアの数々は、いずれも軽やかな素材感で、ドロップショルダーのリラクシングなシルエットが特徴。それだけに、ロングスリーブとショートスリーブのニットを重ねるレイヤードや、ロングコートのウエストベルトを締めた豊かな表情など、着こなしのアレンジも幅広い。
ゆったりとしたシルエットにメリハリをつけるのは、トレンチコートやブルゾン、ワイドシルエットのパンツに見られるパイピング、あるいはそれを彷彿とさせる縫い目を外側に出したディテールだ。力強いネイビーのシャツのセットアップは、フリンジ状に軽やかなホワイトで縁取った。また、Vネックのニットは裏表を反転させたかのように仕上げるなど、衣服の外側・内側を軽やかにひっくり返すデザインが随所に見て取れる。
衣服の外側と内側の相互浸透とでも呼べようか。トレンチコートは、とりわけスリーブのぽってりとした量感に見るように、ボリューム感あるシルエットでありながら、軽快な素材感とメッシュ状のピンホールでもって、重厚な印象を払拭した仕上がりに。そこには、衣服の内側と外側を判然とわけるというよりは、それらのあいだに春風が吹き抜ける軽やかな往来をも感じられる。
カラーは、ブラックやホワイト、エクリュ、ブラウン、ベージュ、カーキといった落ち着いた色みが主体。時折り差し込まれるブルーやピンク、イエローも、あくまで霞を帯びたように穏やかであり、全体として柔らかくニュートラルな色調にまとめられている。