ホワイトマウンテニアリング(White Mountaineering)が、2021年8月30日(月)、東京・新宿御苑にて2022年春夏メンズ・ウィメンズコレクションを発表した。
2021年で、ブランド誕生から15周年を迎えるホワイトマウンテニアリング。代官山のワンルームではじまった小さなブランドは、その4年後に東京コレクションを発表、2013年にはピッティウオモでショーを開催するまでに成長。2015年秋冬シーズンから現在まではパリファッションウィークに参加する一方、多彩なブランドと協業するなど、ファッションデザイナーとして新しい道を開拓し続けてきた。そして、その背景には常にチャレンジ精神を持ち続ける相澤陽介の強い思いがあった。
楽天が日本発のファッションブランドを支援するプロジェクト「b y R」のサポートにより実現した、日本で9年ぶりとなる今回のランウェイ。ブランドの色を反映する場所として、東京のど真ん中で大自然を感じられる新宿御苑を舞台に選び、原点回帰であり、今後の未来へのひとつの区切りともいえるショーを発表した。ブランド名の由来となった“都市と山の融合”は、今季ももちろん健在で、これまで出会った人、出会ったモノ、あらゆる経験を踏まえて“服を身にまとう自由”を表現したという。
あえて女性モデルだけを起用して、2022年春夏シーズンのメンズ・ウィメンズを網羅するコレクションを発表したのもそれが理由だ。これまでのコレクションでの進化を踏襲しながら、これからの確かな未来を示唆している。
アウトドアを基盤に築くホワイトマウンテニアリングのモードでは、機能的なディテールがデザインへと繋がり、一方でデザインが実用性へと繋がる。例えば、マウンテンパーカーは、ファブリックがもつ機能性やディテールの実用性はそのままに、解放的で高度なデザインをもたらした。軽量な素材は身体の動きにあわせて躍動し、ジッパーはシルエットに変化をもたらす。
また、アウトドアの一般的な概念を超越するスタイルも、ホワイトマウンテニアリングらしさ。ワークベストは、あえて都会的なストライプシャツにレイヤードするなどによって、ワークウェアとアーバンウェアの中間を模索する手段となる。従来であればアウターであろうマウンテンジャケットは、軽くて薄い機能素材であるからこそ、開襟シャツのインナーとして着用。新しいスタイリングへと導いた。
ランウェイにおいて、カラーパレットの基軸は黒。とことんブラックで統一したルックは、テクスチャーの違いで豊かな表情となり、さらに時折混ぜるメッシュやシアーな素材感、トリミングのように配した止水テープやジッパーによって、アウトドアとアーバンウェアを往来する黒の世界を開く。そして、アウトドアをモードへと昇華する。
一方で、トロピカルなフルーツ柄や、ゴシック柄を彷彿とさせるカーキのボタニカルプリントは、メンズムード漂うタフなアイテムに負けない柔らかさや、洗練さをもたらす存在だ。
最後に登場したワンルックは、サルバム(sulvam)のデザイナー藤田哲平との共作による1着だという。サルバムが得意とする肩の力を抜いたデザインエッセンスが美しく交わったセットアップだ。
また、足元を飾るアイテムとして、ボリューム感のあるダナー(Danner)とのコラボレーションブーツ、2021年秋にローンチ予定のミズノ(MIZUNO)とのコラボレーションスニーカーが登場している。