エズミ メン(EZUMi MEN)は、2022年春夏コレクションを発表した。
ウィメンズと同様に、現代芸術家・杉本博司と榊田倫之の著書『Old Is New 新素材研究所の仕事』をインスピレーション源とする今シーズン。杉本博司が手がけた江之浦測候所にも赴いたというデザイナーの江角泰俊は、杉本博司の芸術や建築に対する姿勢に触れつつ、モダニズム建築やバウハウス、ダダイスム、ウィリアム・モリスへとイメージを派生させ、デザインに投影した。
中でも、杉本博司の作品に見られる「見立て」の表現方法に着目。あるものを性質の異なる別のものに「見立てる」というプロセスを、ファッションのクリエーションに落とし込んでいる。中世や近世ファッションの素材や技法を現代的に再解釈し、独自の服に見立てていくことで、新しい表現やデザインを追求した。
「見立て」は意外性のある素材やパーツの組み合わせによってデザインに反映。例えば、ざっくりとした涼しげな編地のカーディガンには、ハリのある生地でエポレットやフラップポケット、襟をあしらい、ミリタリージャケットを思わせる佇まいに仕上げている。
また、スプリングコートの袖口や襟、裾にはリブをあしらい、ウエストにはドローコードを配してフライトジャケットのような雰囲気に。軽やかなシャツジャケットにも、コーデュロイの襟やベルト付きのポケットをあしらうなど、無骨な要素を加えることでミリタリーアイテムに見立てた。
サマーニットやしなやかなシャツ、開放感のあるショートパンツなど、全体的にリラクシングなアイテムで構成されているのも特徴的。カーゴパンツはたっぷりと生地を使ってタックをとり、裾に向かってエレガントに広がるワイドシルエットに仕上げている。