ジュンヤ タシロ(JUNYA TASHIRO)、2010S/Sシーズンコレクション。今回のテーマは「オブラート(oblaat)」。
足元には幻想的なスモークが立ちこめ、その中をモデルたちがゆっくりと登場。静かな森に湧き出る泉をイメージしたと言う世界観の中で、1人1人のモデルは神秘的で、まるで森の妖精のよう。
ブランドが持つナチュラルな雰囲気に、レースやフリルなどロマンティックなディテールを効果的に取り入れたコレクションはまさにデザイナーも語る「原点回帰」。素材には、しわ加工を施した生地や薄い生地を効果的に使うことで自然で透明感ある雰囲気を作り出し、同時にフェミニンなディテールを柔らかなオブラードに包むことで「甘さ控えめ」なコレクションに仕上げた。
オブラートで包まれるように何枚もの素材を重ね、白、ベージュ、クリーム色、ブラウンなどの優しい色を綺麗なグラデーションがかかったティアードスカートは印象的で、切りっぱなしの裾にヒップから膝のあたりまでがアシンメトリーになっているスカートや、パッチワークをシースルー素材を組み合わせることでごく自然に見せるデザインは強い拘りを感じ、まさにブランドのコンセプト通り「ナチュラル+α」。
その他の注目はアクセサリー。コサージュ、ブーケ、コサージュアクセサリーで有名な「Cottage de kyohka」とコラボレーションした王冠やブーケを身に付けたモデルは、コレクションとのシナジーから、まるで森のヴィーナスのように映った。それでもデザイナー田代淳也氏が「リアルクローズで勝負」と語るように、1つ1つのアイテムはリアルクローズで、森から抜け出して日常でも自然に溶け込みそうだ。