エルメス(HERMÈS)のメンズネクタイは、印象をきりっと引き締めてくれる人気アイテム。色柄や素材など多彩な種類を揃え、ビジネスシーンはもちろん、おしゃれな装いにもぴったりのネクタイを展開している。値段もアクセスしやすく、記念日やクリスマス、バレンタインなど特別な日のプレゼントにもおすすめだ。
エルメスのネクタイの歴史から、ネクタイの選び方、“H柄”をはじめとするおすすめ柄の種類に至るまで、エルメスのネクタイを総特集。人気の秘密に迫る。
エルメスが初めてネクタイを製作したのは1949年。初のシルクスカーフ「カレ」が誕生した1937年から12年後だ。
エルメスがネクタイに着手したきっかけは、フランス・カンヌのエルメスブティック。場所柄、カジノに入場する際に必要なドレスコードを満たすため、何人かの顧客がネクタイを求めてブティックに来店したことから、本社にネクタイ製作を依頼したという。
ネクタイは、スカーフ「カレ」と同様に“シルクの街”リヨンのアトリエで生産。シルク素材にフラットスクリーンプリントを施し、独自に開発したモチーフを落とし込んだ。以後70年にわたって、エルメスはユニークなモチーフやデザインのネクタイを展開し続けている。1988年にはファンタジータイ、2012年にはヘヴィツイルのネクタイが登場するなど、時を経るとともにそのバリエーションは多彩になっている。
エルメスのネクタイは、特殊な仕立てを必要とするため手仕事で仕上げられている。裁断、縫製、仕上げには細やかな技術を必要とし、実際に手に取って見てみると、ステッチの入れ方やふくらみ感のある仕上がりに熟練したクラフトマンシップが宿っているのが感じられる。
例えば、ネクタイを結んだ時に表に見える「大剣」と裏にまわる「小剣」、それぞれには裏地と芯地があしらわれているが、人の手によってゆとりを持たせて縫製することで、エレガントな立体感のある仕上がりが実現する。ネクタイは1本の絹糸によって縫製されており、糸の端の部分をループ状にした“たるみ糸”により、時を経てもなお、柔軟な伸縮性を保つことができる。
エルメスのネクタイに採用されているシルクは、ブラジルの養蚕場で飼っているカイコから作られた世界屈指のハイクオリティなシルク。柔らかくなめらかな手触りと、発色の良さが魅力だ。
シルクツイル、ヘヴィツイル、シルクニットといったシルク素材に加え、ラムレザー×カシミア、シルクコットンの混紡素材なども展開。いずれもリュクスな質感の素材が採用されている。
馬具にルーツを持つエルメスならではの、馬や馬具をモチーフにしたデザインをはじめ、動物柄、様々なアレンジの“H柄”など、ポップなモチーフを多く用意。プリント、もしくは織りなどによって表現される。オレンジやピンクなどの鮮やかな色使い、そして目を引く柄はプレイフルなだけではなく、全て上品に見えるように仕上げているのがエルメスならではの魅力だ。
また、表地だけでなく、裏側にもその遊び心を反映したネクタイも展開しており、通常裏にまわるネクタイの「小剣」に表地の柄と連動したデザインを配したり、裏地にポップな柄を採用したり、刺繍を施したりと、着用時に見えない部分にささやかな遊びを効かせている。