例えば、一見シンプルな幾何学模様のヘヴィシルクネクタイには、小剣の裏側に動物柄の刺繍を施した。エルメスのスカーフ「カレ」のデザインも手掛けるデザイナーのアリス・シャーリーによるオオカミやクマ、恐竜の絵柄が細やかなステッチによって表現されている。
エルメスのネクタイは、およそ2万円~3万円がメインの価格帯。エルメスの数あるアイテムの中でも手に取りやすい値段設定で、エントリーアイテムとしてもおすすめだ。
デザインや質感はもちろんだが、ネクタイを選ぶ際にまず意識したいのがネクタイの「幅」。エルメスでは、スタンダードな8cm幅ネクタイに加え、やや細めの7cm幅、ナロータイに分類される6cm幅のネクタイを展開している。
好みにもよるが、ネクタイ幅を選ぶ時は合わせるジャケットを想定して選ぶのがおすすめ。ラペルの幅がしっかりと広いジャケットには、オーセンティックな8cm幅のネクタイを合わせるとバランスが取りやすく、フォーマルな雰囲気に。一方、コンパクトな仕立てのジャケットやスリムフィットのジャケットには細めの幅のネクタイを合わせるとすっきりとした佇まいに見える。
エルメスの頭文字であるHをモチーフにした柄は、様々なバリエーションのデザインが展開されている人気柄。カラーもベーシックなネイビーやブラックといった色合いから、ピンク、オレンジ、ライトブルーといった華やかな色まで多彩にラインナップする。
船の錨のチェーンから着想を得たアイコニックな“シェーヌ・ダンクル”とHモチーフを掛け合わせた「H マイヨン」や、グラフィカルにHを並べた「H ストリート」、水に浮かぶ泡のようにHをデフォルメした「バブル H」など、ユニークな解釈で表現された様々なHモチーフのプリントが登場。
プリントに加え、小さなHモチーフを無数に配した「ファイン H」など、織りタイにも注目だ。
エルメスを象徴する馬柄や動物柄は、愛らしく思わず笑みがこぼれてしまうような遊び心あふれたデザインが勢揃い。馬を描いた「カラフル・ジャンプ」はレッドやブルー、イエローといったブライトなカラーを使ってポップに、馬の頭を丁寧にラムスキンの刺繍であしらった「シュヴァル・オ・トレ」はエレガントに、象徴的な“馬”のモチーフを表現している。
また、てんとう虫とクローバー、蹄を並べた「ジョブ・インタビュー」などもおすすめ。1本のネクタイで2つの柄を使い分けることのできる「ドゥブル」では、小さな魚を散りばめた模様とクラシカルな幾何学柄を対にしたデザインなどが展開される。
チェーンのコマ“マイヨン”を並べた「クラブ・マイヨン」や、網目のようにダンベルを連ねてHの文字を象った「H ゲーム」などの幾何学柄ネクタイは、アーティスティックな雰囲気が魅力。レッド×ネイビー、もしくはブルー×ライトブルーの幾何学柄がアイキャッチな「ル・ピエ・ア・エトリエ」は、乗馬の際に足をかけるパーツの鐙(あぶみ)がモチーフになっている。