ニナ リッチ(NINA RICCI)の2022-23年秋冬コレクションが発表された。
歴史的な「サヴォアフェール(匠の技)」にオマージュを捧げた今シーズン。ロバート・リッチが“妖精の手”と呼んだ職人によって1点1点作られたコレクションには、なめらかなテーラリングやグラフィカルな襟、美しい流線形のコクーンドレスなど、大胆でありながら繊細な表情のピースが揃う。
陽気で心躍るようなムードを演出するのは、パウダリーピンク、ベビーブルー、キャンディアップルレッドなどといった淡いレインボーのパレット。アースカーキやチャコールブラックなどの深い色合いと、柔らかなコントラストを成しているのが印象的だ。
色だけでなく、素材使いも遊び心たっぷり。エアリーなチュールドレスやふわふわとしたモヘアニットなど軽やかなアイテムは、艶のある超高反射ナイロンのコートやメタリックのサイハイブーツと合わせて。また、異素材を重ねながらも同トーンで統一するミックス&マッチの手法も散見された。
ドレスやコートをリズミカルに彩っていたのは、スプレーで描いたようなフラワーパターン。ジャケット&コートのセットアップにはブルートーンで花のモチーフを重ね、カモフラージュ柄のような密度に仕上げている。
ルックにアクセントをプラスするアクセサリーにも注目だ。ビニール素材のゴーグルやミニバッグは、透明感のある独特の質感が魅力。プレキシテクノのクローシュハットやダブルストラップのキルティングバッグも、コレクションに未来的な要素を付加するアイテムとして存在感を放っていた。