オクシモロン(OXYMORON)は、2022-23年秋冬コレクションを発表した。
オクシモロンは、デザイナーの福田大将により2021年にスタートしたブランド。「見たことのある服を見たことのない服へ」というコンセプトのもと、既に知っているはずの衣服に“違和感”を付与することで今までの当たり前を上書きし、新たなスタイルを模索していく。
“less is more or bore?”のメッセージが印象的な今回の2022-23年秋冬コレクションでは、ベーシックでシンプルなシャツやパーカーなどのアイテムに変形を加えることで遊び心をプラス。例えば、フーディーやスウェットには袖を2つあしらうことで、佇まいが二重に見えるかのような、だまし絵的なエッセンスを加えている。
また、3つの襟を備えるシャツは、ゆったりとしたケープのようなデザインに。従来の形を残しつつ、シャツのパターンを半身ずつ連結させたことで独特のドレープ感やシルエットが生み出されている。また、ブルゾンは、裾のラインを前下がりに仕立てることで、ユニークな表情を演出している。
いずれも変形の手法そのものはシンプルだが、そのシンプルさを逆手にとって既存の様式や観念を揺るがしているのが印象的だ。変形された服はレイヤードすることでより一層“違和感”を増す。
中でも、あえて白・グレー・黒といったトーンの異なるカラーを組み合わせてコーディネートし、グラフィカルな印象や彫刻的な造形を際立たせたルックが目を引いた。ホワイトのシャツには、前の裾が極端に短く、後ろ裾の長いスウェットをスタイリングすることで、「従来ならそこにあるはず」の前裾への無意識化の意識を浮き彫りにする。