ルール ロジェット(leur logette)の2022-23年秋冬コレクションが発表された。タイトルは、「Femme fatale」。
ブランド設立20周年を迎えたルール ロジェット。着想源となったのは、カナダの写真家Marianna Rothenがカメラにおさめた美しい女性たちだ。
不完全で神秘的なアイデンティティを持つ女性ならではの複雑さを感じさせる彼女たちが一様にして纏っているのは、60~70年代の映画の美学を連想させるコスチュームやランジェリー。人の手の温もりを感じさせるディテールが随所に施されたそれらの衣装は、“時を惜しまずに作り上げられた美こそが最高の贅沢だ”ということを思い出させてくれる。
今季はそんな衣装に想いを馳せながら、原点回帰といえるクチュールライクなコレクションを提案していく。
返し編みを施すことで立体感を演出したニットや、細やかな花柄を表現したジャカードなど、コレクションに溢れているのは丁寧に作りこまれた上質なファブリック。中でも、家庭機と手作業のかぎ針によるニットパーツがあしらわれたツイードジャケットは、惜しみなく時間を掛けて作り上げた、今季を象徴するような一着だ。
ボリュームたっぷりのパフスリーブや大きく波打つフリル、肩を強調させたフォルムなど、立体感を演出するシルエットは、コレクションに漂うリュクスなムードをよりいっそう盛り上げていく。ビジューボタンが煌めくベストはその好例で、中綿が作るふっくらとしたフォルムと袖に施したフリルのような装飾が主役級の一着へと昇華させる。
ブランドが得意とするフラワーパターンも、古き良き時代を思わせるエレガントなものが勢揃い。細やかな花柄を丁寧に表現したジャカード編みのベストや、万年筆で描かれたような繊細なブーケのモチーフが目を引くスカート、12色からなるフラワープリントを落とし込んだドレスなどが揃う。
秋冬シーズンに欠かせないアウター群は視線を奪うコラティブなデザインで登場。ベストとしても着用できる袖の取り外しが可能なブルゾンは、フロントにパールのオリジナルボタンをセット。ボリューム感のあるブルゾンは、キルト加工を施したシルバーの生地で仕立てた。