イッセイミヤケ(ISSEY MIYAKE)が2014年1月16日(木)、2014年秋冬コレクションをフランス・パリで発表した。テーマは「うつりこむ光の先に」。
大地の静寂と情熱、火山、氷河、オーロラ、フィヨルド、神秘的なトワイライトなど、雄大な自然が発想源だ。最初の4ルックは、細かく張り巡らされた蜘蛛の巣のような、あるいは人間が雷に打たれた瞬間のような細かい線が縦横無尽に走るシリーズ。一見では単なるプリントに見えるが、布に蝋をたらして模様を描いてから染色する「ろうけつ染め」をした後、染まっていない部分をさらに刷毛染めした手の凝ったものだ。
中盤は、オーロラをイメージしたプリズムフィルムのコレクション。ブルゾンやコートはキルティング加工のフランネルとのリバーシブル仕立てで、製品洗いをすることでフラノが縮み、見る角度によってフィルムの色の表情が変わる。ブランケットをそのまま肩にかけたような大きなポンチョは、粗く削られたフィヨルドを表現したもの。二重編みのニットを部分的にカットした後、縮絨することで独特の風合いを表現している。最後の7体は、子供の頃に見た万華鏡の世界を転写プリントした後、イッセイの代名詞であるプリーツ加工やツイスト加工を施している。
2014年春夏の高橋悠介のファーストコレクションは、これまでのイッセイのテイストに若々しいストリートの要素を加え、新生イッセイを印象づけるものだった。今回は、様々なスタイルを混在させることで、テキスタイル、加工、染色の技術へのこだわりとバリエーションを見せた。ブランドの未来を託された入社4年目の若者は、今後、どのようなコレクションを繰り広げていくのか。従来の枠に縛られず自由に、新しいイッセイ像を作ってほしい。