コシェ(KOCHÉ)の2023年春夏コレクションが発表された。

科学と創造性の融合

かつてパリ証券取引所があった壮大な建物内で披露された2023年春夏コレクション。クリステル・コーシェは、グーグルの研究開発部門「Google ATAP(Advanced Technology & Projects)」とタッグを組み、テクノロジーと現代的なカルチャーを融合させたコレクションを作り上げた。コシェのストリートやカジュアル、さらにクチュール的要素を反映させながら、ファッションと科学の交わりによる新たな創造の可能性を模索した。

デジタルにインスパイアされた装飾

注目は、パンチングレザーのトップスやチューブトップ、パンツを用いたルック。初期のビデオゲームのピクセルを想起させるような模様が、デジタルにインスパイアされているということを物語っている。

また、近未来感のあるサイバーパンクをイメージして、フリンジやスパンコール、レース、メタルの装飾などを用いたルックも散見された。ブラックとゴールドのスパンコールで埋め尽くされたトップスと、光を受けて所々艶めいてるように見えるシアー素材のチェック柄ロングトップスとの組み合わせもその例だ。

クチュールからのインスピレーション

クリステルが大手メゾンで培ったテクニックとクラフツマンシップを活かし、ストリートの要素やカジュアルをミックスさせた独自のスタイルが特徴のコシェ。そんなブランドのスタイルに則り、シンプルかつデザイン性に富んだデニムが仕上がった。例えば、デニムとブラックのレースをドッキングしたショートスカートは、バックにふわりとレースを流し、前後で異なる丈の長さに。下半身に動きを持たせ、コレクションに軽やかさと優雅さをプラスしている。

スクリーンカラーのようなカラーパレット

テクノロジカルな雰囲気を盛り上げるのが、スクリーンカラーのように明るく鮮やかなカラーパレット。ヴィヴィッドなピンクのテーラリングやブルーのパンツ、さらには幾重に分かれた裾が、歩みを進める度にヒラヒラとなびくライトグリーンのタイトスカートが、コレクション全体に華やかさを添えている。