イッセイ ミヤケ (ISSEY MIYAKE) が2010-2011A/Wレディースコレクションをパリで発表した。今回のテーマは「Poincaré Odyssey - ポアンカレ・オデッセイ - 」。これは、アメリカ人数学者ウィリアム・サーストン博士から届けられた「8つの宇宙の形」にインスパイアされたもの。
ウィリアム・サーストン博士は「トポロジー(位相幾何学)」という幾何学の研究者で、空間における物体の形状の類型化(位相同型)の研究を行っている人物。博士は日常生活の中にある自然物、すなわちリンゴの皮を剥く、木の葉をはさみで切るなど、その物体の形を変形させることで類型化していく手法を通して、宇宙の形を予想する「幾何化予想」を打ち立てた功績を持っている。
この手法に共鳴したイッセイ ミヤケは、身体そのものを宇宙空間と捉え、美しいフォルムを作り出すことを目指した。ボディにロープを使ったスタディを行い、放物線をジャケットの中にパイピングで取り込んだ。また、曲線的で立体的なフォルム、ドレープ、結び目などでサーストン博士の理論に独自解釈を加えつくり上げた服で今シーズンの世界観を表現した。
ロープを使ったスタディ