ルメール(LEMAIRE)の2023-24年秋冬コレクションが発表された。
1960年代初頭に建設されたピエール・マリー・キュリー大学で披露された、ルメールの2023-24年秋冬コレクション。穏やかな日陰の中、身体や年齢、性別などが異なる多様なモデルがすれ違い、交差していく。
展開されたのは、テーラードジャケットやシャツワンピース、トレンチコートといったルメールらしいクラシカルウェア。フォーマルなのにどこかリラクシングなムードを感じさせるのは、布地をたっぷり使用し、緩やかなシルエットに仕立てているからであろう。流麗なロング丈のコートやドロップショルダーのニットカーディガン、身体のラインを拾わないワイドパンツなども、ラフで心地よい空気を醸し出す。
ゆったりとしたシルエットの衣服は、ベルトでウエストを締めたり、襟の開きで緩めたり、中心から外れたボタンの連なりを張らせることで、動きを演出。太めのパンツはすっきりとブーツインして、ボリューミーなアウターとのコントラストを際立たせている。
カラーは、ブラウンやカーキ、インディゴといった、ルメールらしいベーシックなパレットを基調としつつ、時折、淡いピスタチオグリーンや、柔らかなオフホワイト、気品あふれるロイヤルブルーを差し込んで。スタイリングは基本的にトーンオントーンでまとめ、統一感を演出した。
色使いがシンプルな分、レイヤードで遊びをプラスしているのも印象的だ。たとえば、深いグリーンのタートルネックには、淡いグリーンのシャツ、ジャケット、トレンチコートをオン。グラデーション状に洋服を重ねることで、奥行きのある表情を引き出している。
また、パプアニューギニアのアーティスト、ノヴィアディ・アンカサプラ(NOVIADI ANGKASAPURA)とのコラボレーションは今季も継続。東洋と西洋を融合させたエキゾチックなドローイングをシルクのガーメントに表現し、コレクションに新鮮な風を吹き込んだ。