ロンドンファッションウィークで発表されたトッドリン(TODD LYNN)の2013年春夏コレクション。テーマは「チャーリーは波乗りしない(Charlie don't surf)」。フランシス・コッポラの映画「地獄の黙示録」劇中の軍人の、サーフィンしないベトコン(ベトナム共産主義者のゲリラ隊)にビーチを占領させておくのは惜しい、という台詞であり、またパンクロッカー、ジョー・ストラマーの同名の楽曲で知られるフレーズだ。また美しさと恐ろしさが共存した作品を撮る写真家、ピーター・ビアードからインスパイアされている。
原始の儀式を思わせる音楽の中登場した複雑なカッティングが彫刻的なオークルのジャケットや、駝鳥の脚のコルセットは、サファリを連想させながらもいずれも細身のシルエット。ウエスト部分の布地の横糸を省き、縦糸のみとなったドレスは脱構築的でありつつ、同時に計算された繊細な美しさを漂わせている。グリーンを基調としたジャカード生地に、流れ出る墨のようなプリントは、マックイーンのスカルイラストでも知られるロンドンのアーティスト、マーカス・ジェームズとのコラボレーション。野生と洗練とが共存する力強いコレクションとなった。
トッド リン(TODD LYNN)は、カナダの出身。<a href="/words/1908">セントマーチンズ</a>を卒業。ローラン・ムーレに付き、約7年の間働く。もともとは音楽関連のステージ衣装を手がけ、裏方でデザインをしていた。
2006年、プレス及びバイヤー向けのコレクションを開き、コレクションデビューをはたす。その後、2007S/Sシーズン...
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