1959年、ブラジルのボサノヴァが音楽の歴史を変えた。エラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーン、さらにはフランク・シナトラまで、世界中がブラジル音楽を歌い踊り始めた。ニューヨークの音楽ジャーナリスト、ジェフ・ハリスは、このムーブメントについて調べるため訪れたリオデジャネイロで、ボサノヴァの爆発的なヒットで重要な役割を果たした1人のピアニスト、テノーリオ・ジュニオルの存在を知る。その足跡を辿ると、繊細なタッチで聴衆を魅了した天才はブエノスアイレスでのツアー中に謎の失踪を遂げていた。創造的な自由が失われ、全体主義体制に飲み込まれる直前のラテンアメリカでジャーナリストが見た真実とは。
映画『ボサノヴァ~撃たれたピアニスト』は、ブラジル音楽のボサノヴァにおいて伝説的な存在である天才ピアニスト、テノーリオ・ジュニオルの光と影をアニメーションで綴る作品。ラテンアメリカの痛ましい歴史を浮き彫りにしながら、テノーリオの活躍と、謎の失踪に迫っていく。監督は、フェルナンド・トルエバと、ハビエル・マリスカルが共同で務める。