2014年2月26日(水)、ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)の2014年秋冬コレクションがパリで発表された。今季のドリス ヴァン ノッテンは、新しいクチュールのかたちをイギリスの現代アーティストBridget Rileyのポップな「optical illusions(トリックアートとも呼ばれる)」の作品に見出した。
幻想的なオプティカル・モチーフ、面から立体へと移りゆく花々、銀箔の波模様といったグラフィックプリントを駆使したテキスタイルに目を奪われる。スーツグレーやブラックといったクラシカルなテキスタイルに、思い切り乗せられたブルー、ピンク、イエロー・オレンジ、グリーンが鮮やかに幾何学的な模様を描く。スカートに曲線を描くストライプのプリントやバイアスの切り替えは、まるで錯視を誘うかのよう。プリントされたグラフィックとハンドプリントとの融合も印象的だ。
パラシュート・ジップや力強いフラワー、ストリート・ポップ・プリントに、フレアなスリーブや裾や襟のフリルのディテールが掛け合わされ、ロマンチックな印象に。メタリックカラーや重なり合うラッフル、平プラスチックの光沢などを効果的に利用することで、まばゆい光の反射とうっとりするようなかすかな輝きを演出した。エレガントなスカート丈とのバランスやたっぷりとしたボリュームシルエットと、Tストラップのマットなスエード・シューズとのコントラストが美しい。
パリ装飾美術館では、3月1日(土)よりアーカイブ展「Dries Van Noten Inspirations」も同時開催。文化的なインスピレーションを背景にテキスタイルを自由に操るセンスといったブランドのインスピレーションを堪能できる展覧会はファンやファッション業界の人々の注目を集めている。