パリファッションウィークにて発表された、ヴァレンティノ(VALENTINO)の2014-15秋冬コレクション。フレッシュで楽しさ溢れるパワーと、遊び心ある雰囲気、変化する喜びを体現した、エネルギッシュなショーを披露した。
今回デザイナーのキウリとピッチョーリがインスパイアされたのは、型にはまらない女性達。イタリア文化に根差した作品を描いたジョゼッタ・フィオローニや、女性の性をセンシュアルかつアグレッシブに描いたキャロル・ラーマ、イタリアの抽象絵画ムーブメントの先駆者カルラ・アルカルディなど、独自の感受性を発揮したアーティスト達の想像力溢れる感情を表現した。
ビビットな色を直感的に混ぜ合わせたカラーパレットは、生き生きとしてまるで万華鏡のよう。メタリックなテクスチャーが、そこに更なるインパクトを加える。印象的な色彩が織りなすピースの数々は、アート作品さながらだ。
オーバーサイズのフローラルプリントや、イタリアの仮面劇のダイヤモンド柄、ストライプや幾何学柄など、ビジュアル効果の高い装飾は、限りなくシンプルなシェイプのアイテムにオン。ロングスカートや、ケープ、ミニドレスのすっきりとしたフォルムが生む、計算しつくされたシンプリシティーが、主張の強いテキスタイルをうまくトーンダウンしている。豪華な装飾にも関わらず、重さを感じさせないのは、シルクやクレープ素材などのライトなファブリックを使用したから。
ゆったりとした滑らかで優美なシルエットも本コレクションの特徴のひとつ。流れるような縦のラインには、ウエストマークで、女性らしいエレガントさを演出した。複数のテイストやモチーフが融合され、自由な雰囲気が漂う今季のコレクション。そこには、女性が自分自身を解き放つ瞬間の、高揚感と喜びが表現されている。