トリー バーチ(TORY BURCH)の2024年リゾートコレクションが発表された。
静と動、都市と自然。トリーバーチの2024年リゾートコレクションからは、そんな相反する言葉と言葉が調和する様が浮かび上がってくる。都会の喧騒の中に吹き込まれた風が、着る人を束の間のバカンスへと連れ去る──そんな情景を連想するような、エレガントかつノンシャランなルックが展開された。
象徴的なのが、随所に取り入れられたアニマルパターン。ネコの顔を前面にプリントしたハーフネックトップスや、プリーツごとにウサギをあしらったスカートからは、動物の毛並みや息遣いまでもが伝わってくるよう。なお、これらのアイテムには動物を人間のポートレートのように撮影することで知られるドイツの写真家、ヴァルター・シェルスの作品が使用されている。
さらに、ベルトやキャミソール、パンツに施したメタルのスタッズは、爬虫類の鱗を表現している。ペットとしても人気な猫やウサギ、爬虫類は、最も人間に近い都市の動物と言っても過言ではない。彼らが魅せる余裕に満ちた表情が、日常に安らぎをもたらしてくれる。
並んで特筆すべきは、クリーンなラインと印象的なテクスチャーだ。例えば一見レザー素材にみえるコートは実は光沢のあるビスコースから成るもので、洗練されたストレートシルエットをやわらかな表情へと昇華している。
着る人だけが持つボディラインを描き出すような流線型のストレッチトップスには、バレエ風のチュールスカートを合わせて。裾部分のボリュームが抑えられていることで、バレリーナの可憐な一面だけでなく、無駄をそぎ落としたような凛とした美しさが感じられる。
カラーパレットは、夏の日差しに映えるホワイトに始まり、サンセットや珊瑚を彷彿とさせるコーラルピンク、バーガンディが並ぶ。そこから、夜の海を覗くかのようなブラックやディープブルーへと移り変わり、さらに秋の始まりを予感させるイエローが披露された。
ハンドバッグやシューズでは、ブランドのシグネチャーを再構築。2023年春夏コレクションで登場した「スウィングバッグ」にはミニサイズが、「リー ラジウィル ダブルバッグ」にはカウプリントを施した新作が加わった。バレエローファーには、T モノグラムのジャカードが採用されている。