亜熱帯のしびれるような気候の中ドバイで発表された、シャネル(CHANEL)の2014-15年クルーズコレクション。
「これは万人のための、理想の東洋を表現したものです。フォークロアのデザインに固執するのではなく、伝説から映画、ドラクロワの絵画から1914年のポール・ポワレの作品に至るまで、さまざまな影響を受けているのです」と、カール ・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)は、今季のコレクションについて語る。ティアラやブレスレットなどを身に着けたモデルたちは、強い眼差しを演出するメイクで、オリエンタルなムードと強さを感じさせる。カールが、マリサ・ベレンスン(Marisa Berenson)のようだと話す、縮れたヘアスタイルはボリューミーで優雅なムードを醸し出す。
前半はツイードのコートドレス、スパンコールの刺繍がなされたボレロジャケットなど、メゾンらしい華やかな装いが登場する。そこにゴールドのシルクが輝くバギーパンツを合わせたり、シースルーのシガレットパンツを合わせることで、フェミニニティの中に中世の雰囲気を織り交ぜる。
オリエンタルな要素は、力強い色彩によるフラワーモチーフや幾何学的で表現されている。エネルギッシュに彩られたドレスやシルクシフォンのチュニックは、透け感のあるコットンボイルのトラウザーや、ニットのジレとコーディネートして披露された。パレットは、ブランドの象徴的なカラーである白、黒とベージュに加え、フクシア(赤紫)やミッドナイトブルー、カーマインレッドを。
軽量ツイード、シルクシフォン、リネンなど、数々の繊細なファブリックのワードローブを、レイヤリングしているのも今季の特徴だ。フェイフェイ・サンが着こなした、万華鏡のような柄なタイトなフルスリーブドレスも、スカート部分に生地が重ねられ、軽やかでありながら優雅な存在感を放つ。
またゴールドのキルトレザーで作られたジェリー缶のハンドバッグや、パールのバッグ、三日月のティアラなど、輝く小物やバッグは、コレクションをより一層華やかに魅せた。