ヴェルサーチ(VERSACE)の2015年プレスプリングコレクション。
コレクションに関して、デザイナーのドナテラ・ヴェルサーチは言う。「今シーズンは今日の女性の生活に適したヴェルサーチコレクションを作りました」。今季打ち出されるのは、ラグジュアリーでありながらもよりデイリーユースを意識した、スポーティなデザイン。
例えばシューズ。メインとなったロング丈のサンダルやオープントゥのブーツは、前面にゴールドのジップが配され、レースアップや大胆なグラフィックがヴェルサーチらしいリュクスなムードを醸し出す。しかしその多くを占めたのは、太めのローヒール。大きなゴールドチャームのついたスニーカーなどが登場していることからも、ゴージャスなデザインの中で、動きやすさという機能性を追求していることが分かる。
全体を通して見ると、おなじみのブラック×ゴールドのほか、ホワイトをベースにベージュ、ライラック、ストロベリー、ライムを組み合わせた爽やかなカラーリングが登場している。ボンバージャケットやビスチェトップスといったカジュアルなアイテムには、カラフルかつバリエーション豊かな幾何学的パターンをほどこし、エッジィさをプラス。パターンの中には水玉模様など、今まであまり見られなかったようなキュートなイメージのグラフィックも散見される。
そしてウェアに高級感を与えているのが、パーカーに使用されたシマー素材、シルクなど光沢感のある素材。「テイラリングとスポーツウェアをミックスして、新しい形のラグジュアリーを提案したいと思いました」。そう語ったドナテラにとっての”新しい形”は、とりわけストリート色の強い、鮮やかなコレクションとして現れた。