ジョン ローレンス サリバン(JOHN LAWRENCE SULLIVAN)の2024-25年秋冬ウィメンズコレクションが発表された。
今季のジョン ローレンス サリバンは、ドイツ出身の建築家ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエが生み出した建築や家具にインスパイア。また、数々のスタッキングチェアに着⽬しているのも特徴で、ウェアやアクセサリーの随所に機能美と直線美を内包する“スタッキング”の手法を垣間見ることができる。
コレクションのベースとなるのは、ボクシーなシルエットのジャケットやセンタープレス入りのスラックスといった、洗練美を極めたアイテムの数々。だがよく見ると、それらの1つ1つに“スタッキング”の遊びが加えられている。たとえばパンツの側面には、ブランドネーム⼊りのメタルプレートを縦列配置し、アクセントをプラス。カーディガンのボタンも同様に、直線的に並べられているのがユニークだ。
マニッシュな雰囲気のピンストライプのテーラードには、ジョン ローレンス サリバンらしいフェティシズムを感じさせるシアーレース素材を組み合わせて、クールな官能性を強調。ペンシルスカートのウエストは二段重ねになっており、ここでも“スタッキング”の要素が見て取れる。
デザイナー柳川荒⼠が好んでやまない、偉⼈たちが創出した家具の中に潜むディテールやテクスチャーもまた、コレクション内に多数散りばめられている。ミースとリリー・ライヒが⼿がけた空間作品「Café Samt & Seide」で登場するカーテンの仕切りは、艶かしく光沢を帯びたヴェルヴェットのドレスやスカートに昇華。
コレクションを彩るシューズやアクセサリーにも注目したい。“三本脚”のヒールシューズは、アルネ・ヤコブセンの「アントチェア」のデザインを引用したもの。ニットやウールといった柔らかな秋冬素材とコントラストをなす冷たいシルバーアクセサリーは、ミースの「MRチェア」が実現したカンティレバーの構造を取り⼊れている。