バンド オブ アウトサイダーズ(BAND OF OUTSIDERS)の2015年春夏メンズコレクション。生地の開発から行なったというマッキントッシュ(Mackintosh)とのコラボアイテムも登場する今季は、アイビーリーグ・スタイルに最も影響を与えた一人であるジョン・F・ケネディをアイコンに、60年代のアメリカからインスピレーションを受けている。
マッキントッシュとのコラボで制作した、フロントのジップがアクセントのゴム引きコートに、チノのディテールを取り入れたスウェットパンツ、そこに合わせるPVC素材のハット。ファーストルックからも分かるように、今季のコレクションでは、クラシックなアイテムをベースに、かなりと言っていいほどの大胆な再構築を施している。
そんな中で一つのキーワードになるのが、60年代のアメリカンスポーツプレッピー。広い戸建てに住み、クルマは2台、週末は庭でバーベキューをして夜は映画を観る。そうしたアメリカ中流階級の理想像から想像を膨らませたスコット・スタンバーグは、プレッピーにアウトドアテイストを含ませた、ポップなスタイルを提案。
膝上のショートパンツ、切り替えやベンチレーションでアクセントを付けたフード付きコート、ビブラム社のシャークソールを用いたサンダルとソックスに、カラフルなハット……。レッドやイエローをはじめとしたビビッドなカラーを織り交ぜながら展開されるスタイルは、ブランドらしいユニークかつ楽しげなムードが満載。過去にも発表したSperry Top-Siderとのコラボシューズも、新たなデザインで登場している。
そしてもう一つのインスピレーション源が、1960年代ニューヨークが舞台のアメリカのドラマ『Mad Men』に見られる、ビジネスマンのクリーンなスーツスタイル。これはセットアップのルックがまさにそうで、例えば細身のスーツには、フェイクタイデザインのシャツやカジュアルなインナーで遊び心をプラス。ブラックスーツにボウタイの足元にはシャワーサンダルを合わせるといったような、大胆なハズしも見られた。
バンド オブ アウトサイダーズは、2013年10月に世界初の旗艦店を千駄ヶ谷にオープンし、2014年9月上旬にはNY・SOHO地区への進出を控えている。2004年のデビュー以来、着々とファッション界のスターダムを上り始めているのは確かだ。そんな彼らが一貫して追い求めているスタイルが「フューチャープレッピー」。決してトレンドに左右されない、時代の先にある”伝統”は、シーズンごとにさらなる未来へと歩を進めていく。