ロンドン・ファッション・ウィーク4日目の20日、プリングル オブ スコットランド(Pringle of Scotland)が2011年春夏コレクションを発表した。
会場となったサイエンス・ミュージアムのショースペースの入り口付近には、同ブランドと関係の深いアーティスト達とコラボレーションしたニット・コレクションを展示し、ショー前の雰囲気をいっそう盛り上げた。これはブランド設立195周年記念の一貫としてサーペンタイン・ギャラリーとパートナーシップの下に制作された企画で、参加アーティストは同ブランドの広告に出演する女優のティルダ・スウィントン(Tilda Swinton)、前シーズンのプリングルのキャンペーン・フィルムを制作し話題をさらった人気絶頂の写真家ライアン・マッギンレー、英国美術界で最も栄誉あるターナー賞を昨年受賞したリチャード・ライト(Richard Wright)など、豪華絢爛だ。(残念ながら日本では販売予定はない。)
コレクションはクリーンでミニマル。トレンドの白、黒、キャメルを基調色にスカイブルーなどが加わる。クレア・ワイト・ケラーらしいエレガントなカラーパレットだ。 ハーフ丈のスカートが多く見られたが、シースルー素材や控えめなフリル、エプロン風のベルトを重ねるなど、バリエーションは多彩。
キーモチーフのひとつはフリンジで、シューズのアンクルやトップス、ロング・カーディガンなど、様々なアイテムに形・素材を変えて用いられている。全体的にはすっきりと細身の縦長のラインが強調されるが、このディテールが甘さと軽さを加える。プリングルのシグニチャーのひとつであるアーガイルもトップスからシースルーのワンピースまで、素材を変えてモダンに昇華されている。
都会的で洗練されたミニマルなスタイルを、伝統に裏付けられた確かな技術と上質な素材が支える。歴史とモダニティを併せ持つプリングル オブ スコットランドらしい比類ないコレクションだ。