エンジニアド ガーメンツ(ENGINEERED GARMENTS)2015年春夏コレクションのテーマとなったのは「TRAVEL & SAFARI」。もしアフリカを旅するなら。ほどよく肩の力が抜けたカジュアルなスタイルに、エスニックなテイストが加わった今季のコレクションは、私たちにそんな空想すら抱かせる。
中でもテキスタイルへのこだわりは強い。ニュアンスのある柔らかなコットンや、高級感のあるサマーウール、淡くトロピカルなプリントが施されたリネン×コットンの生地、さらにはインド綿。ベージュやネイビーなどのベーシックなカラーを基調に、涼しげかつ個性的な肌触りの素材がそろう。またアフリカンバティック(ワックスプリント)や、ブラックの生地にジャカードで施された同色のフローラル柄など、凝った表現はお手の物だ。
もちろんテーマに沿った、定番のサファリアイテムも登場する。ウエストのしぼられたサファリジャケットや、ひものついたコットンのハット、軽やかなマウンテンパーカー。そんな中に、マドラスチェックやシアサッカーのセットアップ、ダブルのショートパンツ、ニットタイなど、トラッドなアイテムを織り交ぜることで、都市の空気感を演出した。
今季のコレクション、「TRAVEL & SAFARI」というテーマでひとくくりにされているが、その神髄はミックスの幅広さにある。サファリにエスニック、トラッド、リゾート……。その全く異なる要素を組み合わせる自由なスピリットと、ディテールまで行き届いた意匠。都会人のための旅のスタイルは、そうした強いこだわりに支えられ、さらなる洗練へと歩を進める。