イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)がパリ・ファッション・ウィークにて、2011年春夏コレクションを発表した。
今期のテーマは「Ghost in the Clothes(服の中に潜むゴースト)」。目に見えない気配やふれることのできない世界からイマジネーションを広げたコレクション。人影が霧の中に溶け込むような、あるいは静かに光が消えて自然と身体が一体となるような不思議な感覚を表現するために極薄のメッシュを使用。それによって引き起こされるモアレ現象をデザインに取り込むことによって、コケティッシュなしぐさ、エレガントな気まぐれなどといった女性特有の、とらえどころのない、ゴーストな魅力を引き出している。
スモークのたかれた白い空間の中から浮かび上がるように現れるモデルたち。折り紙モチーフの立体的なストラップレスドレス や、鏡のような大きなメタルモチーフがたくさんついたドレスがイッセイ ミヤケならではの詩的な世界を創り出す。四角いパネルが組み合わされた黒と白の格子柄はフレッシュでスタイリッシュ。鮮やかな朱色のドレス、深いブルーのガウン風コートに水色のドレス、イエローの濃淡を組み合わせたドレスとショールのコーディネート等、美しい発色薄い布地を使用したドレスの一群は、すそを切りっぱなしにしてさらに繊細に。エレガントなシースルーストライプのスモックはポップなレギンスを合わせてスポーティに。
後半にはA-POC INSIDEの中に新たなライン、フェノメノンシリーズのスモックやジャケットも登場。ニットであるにもかかわらずストレッチ性をおさえ、張り感に優れた素材。布帛のように立体的で、美しいドレープを作る。肌にすべるようにサラサラで、手軽に洗濯ができ、速乾性もあり、お手入れも簡単。非常に軽いので持ち歩きも簡単。さまざまなTPOに対応でき、色のバリエーションも豊かなので、幾通りもコーディネートが楽しめる。ISSEY MIYAKEの強いDNAであるプリーツのテクニックを融合させ、さらに驚きや喜びを与えられる世界へと発展させている。