ラコステ(LACOSTE)は、2015年春夏コレクションをニューヨークで発表した。
1920年代に発表したポロシャツ、1985年・1986年に発表したヨット。ラコステを語る上で、海洋世界は外せないワードだ。今季のラコステは原点回帰し、スタイル、快適さ、機能性の3点を兼ね備えたマリンスタイルを展開する。
ジャケットのショルダーをウエストに巻き付け創り出した、腰元にボリューム感のある着こなしは、コレクション全体の涼しげな雰囲気の中で目を引く。キーポイントとしてファスナーを使用することで、袖を通して着るという概念から離れ、ジャケットを装飾品とした。このスタイリングは、ファッションの多用性を訴えているのかもしれない。
今季は、コットンベールや高機能な両面生地、ナイロンなど、ブランド創立時にはなかった素材を多く使用している。とりわけ印象的なシースルーは、カラーや模様、生地の配置をランダムに。そこから生まれる色の重なりは、陽の光で変わる海のよう。
マリン風のアクセントとなる青と白、赤とイエローのように異なる色の組み合わせや、オレンジやライラック、ペールミントなどの躍動感のあるポップなカラーの単色または2色使いしたカラーリングが多くみられた。中には、グレーやネイビーなどベーシックなカラーも。ヴィヴィッドなカラーや非対称的なデザインを用いることで、ワーキングクローズであったポロシャツやフィッシャーマンスモックが、オシャレを楽しむファッションアイテムへと変化を遂げた。
シューズは、レザーのフラットサンダルかヒールサンダル、またはスニーカーを展開。毎シーズン新作が登場する「シャンタコバッグ」はレザーで登場した。どちらもワードローブと同じカラーパレットで表現され、海辺で見られるようなナチュラルなおしゃれ感が漂う。今季のラコステは、マリンテイストのウエアに調整可能なストラップやサスペンダー、ベルトなどの小物を取り入れ、スタリングの多様性を提案した。