フェンディ(FENDI)の2015年春夏コレクションが2015年9月18日、ミラノファッションウィークで開催された。先秋冬とリゾートコレクションに次いで、ここしばらくカールは一つの花に心を奪われているらしい。ショーを封切ったのは、ブルーを貴重としたオーキッド(蘭)モチーフのルックだった。セットアップやミニワンピースの上に凛と咲き誇っている。車道に見立てたランウェイをモデルたちが右車線から左車線へと闊歩していき、先端でくるりとターンするとポニーテールにも大きなオーキッドが飾られているのが分かる。
ドレスのスリットやプリーツがバラバラと切り離されたロングスカートなど、道路と同じく直線的なシルエットや長方形の活用が目立つ。というより、シルエットのみならず道路そのものを連想させるアイテムも。濃い灰色地のジャケットは、前合わせとジッパーの部分が白く切り替えられており、身体の中心を車線が貫いているようにみえる。
時折疾走感を伝えるエンジン音が耳に響く。レザーなどでバイカーの要素が加わっているのも今季の特徴だろう。それでもモーターサイクルジャケットはコンパクトなサイズ感。おまけに全面にカッティングされた豪華なレザーのオーキッドが浮かびあがり、可憐な女性らしさを忘れない。
シューズは、フィッシュボーンのような多連ストラップのサンダルたちで、カラーやヒールで表情の異なるバリエーションを提案。バッグは、トゥジュールにミニサイズのバゲッドを重ね付けて、2大アイコンを一度に持てるという贅沢を叶えてくれた。ちなみにトゥジュールのジッパー部は、長く垂れ下がりここにもオーキッドの形をかたどったようなデザインが見られる。
後半には、淡いグリーンやピンクのパステルカラーが台頭。 花弁を思わせる雫型をしたファリーな生地のドレスでガーリーな世界観で魅せて幕は閉じられた。