A.P.C.(アー・ペー・セー)が、2014年9月30(火)にパリで2015年春夏コレクションを発表。今季もデザイナー、ジャン・トゥイトゥ(Jean Touitou)のプレゼンテーションで新作が披露された。
ジャンは自らボードを用意して、コレクションの説明を行う。フランス人作家のマルセル・プルースト(Marcel Proust)の言葉「Fashion Changes, Being Itself Begotten of the Desire for Change」を引用じて、人間だけが“新しいもの”に情熱があると語る。また洋服というユニフォームそのものが持つイメージから、衣服も含めて人の容姿となり、装いによって他人に与える印象を変えるという話をしてくれた。
そんなが哲学をジョーク交じりに語るジャンが贈る今季は、ユニフォームの象徴でもあるトレンチコートからスタート。ベーシックを追求したコートは、余分な装飾がなく正統派なデザインで登場。60年代風のオレンジ色のコートも一緒に披露された。
さらに先シーズンに引き続き、イラストレーターのピエール・マリ(Pierre Marie)が手掛けたワンピースもラインナップ。落ち着いたトーンの幾何学で彩ったシャツドレスやカットソーワンピースは、編込みベルトでウエストマークしてフェミニンに。着こなしのアクセントになる柄物も挑戦しやすい色調なので、纏う人の印象で様々な表情を見せてくれそうだ。
その後もブラックやデニムなど、素材や色ごとに集めたアイテムを紹介する。ベルト付のちょっぴりレトロなものから、エスニックな刺繍がポイントであしらわれたリラクシングなドレスなど、決して主張することはないものの、エスプリの効いた上品な女性らしさを引き出すワードローブばかり。また今回で最後となるヴァネッサ シワード(Vanessa Seward)との6度目のコラボレーションでは、赤をキーカラーにニットやキッチュなプリントのワンピースなどが展開された。