オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)の2025年秋冬コレクションがイタリア・ミラノで発表された。テーマは、都市の二面性を意味する「アーバンデュアリティ」。
渋谷や新宿、原宿といった大勢の人が集まる都心の周りには、慌ただしい大都市の周辺とは思えないほど閑静な街が広がっている。そんな街から感じられるのは、日本文化の本質ともいえる密やかで静謐な美しさだ。今季のオニツカタイガーは、そんな東京の二面性にインスパイア。コレクションを通じて、様々な街を擁する東京の美的・文化的融合を表現している。
ランウェイには、あらゆる文化が行き交う東京のごとく、多様なウェアが登場。ロマンティックなドレープのワンピースや、襟元をコーデュロイで仕上げたワークジャケット、ノルディック柄のプルオーバーニット、クラシックなチェック柄のスーツなど、異なるスタイルが自在に交差する。
バラエティに富んだ素材使いにも注目したい。例えば、ボンバージャケットやPコートといったアウターウェアは、ブラックのシンセティック・レザーを採用。上品な光沢感が見て取れる。
また、プリーツスカートは艶やかなシルク、ベストやポケット付きのカーディガンはざっくりとした手編みのニットを採用。シャツブルゾンは、あえてフォーマルを彷彿とさせるようなポリエステル・ウールを用いて、カウボーイをモチーフとするビーズ刺繍を施している。
シルエットは、身体に優しく寄り添う細身のラインが印象的。シングルコートやジャケットには、ウエストにダーツをしっかり仕込み、ウエストに自然なカーブを描いている。あらゆるコーディネートにあわせられたテキサススタイルのヒールブーツは、足首にクシュっとボリュームを出し、タフな印象をプラスした。
ブーツに加えて、新作シューズやバッグも要チェックだ。アイコニックなトレーニングシューズ 「メキシコ(MEXICO) 66」は、パンキッシュなクリスタルスタッズ付きのブラックカラーで再解釈されたほか、穴空き刺繍のレースアップシューズやメリージェーン、スタッズ付きのバレリーナフラットなども展開。また、オニツカタイガーのボウリングバッグに着想を得たハンドバッグも、全体をクリスタル装飾によってアレンジしている。