ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)の2025-26年秋冬コレクションが、フランス・パリにて発表された。
今シーズンの舞台となったのは、フランス・パリ北駅にある“秘密の駅”レトワール・デュ・ノール。駅のホームや改札前は、恋人と会える喜び、別れの憂鬱、旅立ちへの興奮、帰郷の安らぎ、ビジネスの緊張感など、ありとあらゆる感情が生まれる。ニコラ・ジェスキエールは、そんな駅で生まれる感情の高まりを表現。大勢の人々が行き交う駅の至る所で繰り広げられる物語を感じさせるような、トラベルをテーマにしたコレクションを展開した。
ランウェイでは、駅を利用する様々な客を見ることができる。たとえば、レザーのワンピースに、ラフなロングコートとチェック柄ストールを合わせたカントリーライクなスタイルや、1896年に誕生したメゾンのアイコニックなモノグラム・パターンを配したチンストラップが目を惹くトレンチコートを纏う者。まるで帰省客のような雰囲気を醸している。
また、通常自転車などに取り付けるパニアバッグをアレンジしたバッグを身につけ、アクティビティを楽しもうと出かける者もいる。ランプを手に持つ、キャスケットをかぶった駅員らしき人物は、“駅員らしからぬ”上品なリブニットのオールインワンとマントの装いだ。
アウター類やトップスのシルエットは、肩を大きく膨らませたパワーショルダーを採用。タックを入れることで角張った印象に仕上げたレザージャケットや、空気をはらんだように膨らむウールコート、色褪せたようなユーズド感漂うダブルブレストのコートがその好例だ。
恋人との出会いに胸躍らせる女性やパーティーへと向かう人々にふさわしいであろう、繊細な刺繍やレースの装飾は、エレガントなルックを煌びやかに彩った。たっぷりと生地を用いた、動きのある裾が特徴的なドレスには、シルバーに煌めく刺繍を。ランジェリーライクなティアードデザインのドレスは、胸元と裾にレースが配されている。
旅に欠かせないバッグの数々は、様々なかたちで駅の利用者たちのルックを彩る。1930年に登場したアイコニックなダッフルバッグ「キーポル」のフォルムを受け継ぎ、柔らかな色合いと繊細なラインで再解釈した「ルクスプレス(L’Express)」バッグなどが新登場した。
なお今季は、Stray Kids(ストレイキッズ)のフィリックスがランウェイに登場。ショルダー部分が特徴的なオーバーサイズのニットに、ブラウンのチェック柄をあしらったパンツを着用し、観客の目を集めた。