2010年10月20日、東京ファッションウィークにて、フェノメノン(PHENOMENON)の2011S/Sコレクションが発表された。会場は東京ミッドタウンメインホール。ストリートとモードを独自の解釈でミックスし、独創的なデザインで東京ファッションシーンに光を投げかけるブランド「PHENOMENON」。
今シーズンのテーマは?という問いに、「ガレージロックをテーマにした前回から一転し、今回はサーフロックや90年代のクラシックハウスミュージックからインスピレーションを受けました。」と話す、デザイナーのTAKESHI OSUMI氏。突き抜けるような夏の青い空、海を感じさせるようなランウェイを展開した。
まるでジャングルの中にいるような猿や鳥の鳴き声、風のそよぐ音が聞こえる会場に、突如として雷鳴が鳴り響きスタートしたショー。序盤目を引いたのは「夏」を感じる青、白を基調としたチェックの作品。トップスはテーラードのジャケットでフォーマルな印象を受けるが、ボトムスには腰巻きスカートをコーディネートするなど、フェミニン要素も同時に持ち合わせていた。
ショー全体を通じて襟にアクセントを持たせたデザインが印象的。その中でも、襟の中にチューブを入れ空気で膨らませたものが特に際立ったが、OSUMI氏によると、これは救命胴衣からインスピレーションを受けデザインしたとのこと。終盤の作品はカーキ、ベージュの落ち着いたカラーが中心で、生地は麻などを使用。ハードな印象のスタッズ付きのダブルライダースとは裏腹に、素材が醸し出すナチュラルさが夏の涼しげな夕暮れを感じさせた。
今回のショーの音楽はDEXPISTOLSのDJ MAAR氏が生演奏を行い、会場の雰囲気を盛り上げた。フィナーレではキラキラと紙吹雪が舞い、演出に凝ったPHENOENONらしい遊び心を感じられるショーとなった。