アタッチメント(ATTACHMENT)の2025-26年秋冬コレクションが、2025年2月7日(金)、東京・寺田倉庫にて発表された。アタッチメント単独でのショー開催は、2022-23年秋冬コレクション以来3年ぶりとなる。
こだわり抜いた素材を、クリーンで上質なムードへと昇華するアタッチメント。ウェアをエッセンシャルな要素に切り詰める、ミニマルなスタイルが軸となっている。今季は、シンプルな佇まいの中にも、日常のさりげない親密さや、あたたかさが光るようなコレクションが展開された。
全体を通してうかがえるのは、美しいシルエットが引き立つ端正なデザイン。ラペルを排除したノーカラー仕様のロングコートや、ポケットの存在を隠したジャケット、センタータック入りの流麗なスラックスなど、すっきりと無駄を削ぎ落したピースがコレクションの静謐なムードを高めている。
だが一方で、冷たさや厳格さを感じさせないのは、開放感のあるリラクシングなシルエットによるものだろう。たとえばフォーマルの代表格であるテーラードジャケットは、ノーカラーで仕立てた上、しなやかな質感のインナーを合わせることで都会的な抜け感を演出。ソフトなスカーフやヘッドバンドなどの小物も相まって、ソリッドすぎない軽快さが感じられる。このほかにも、腹部の辺りまでざっくりと開襟した白シャツや、ゆったりとドレープが落ちる緩やかなパンツなど、ほどよく余裕のあるアイテムが目に留まった。
また、秋冬らしい温かみのある素材使いもポイント。もこもこと起毛したバターイエローのセットアップをはじめ、スエード素材のフーディやベロアのトラックジャケット、どこか部屋着のような安心感を覚えるソフトニットパンツなどが、包みこむようにリラクシングなシルエットと溶け合っていく。
多彩な素材同士のテクスチャーを引き立てるかのような、多彩なレイヤードにも注目したい。とりわけ今季は、首元のレイヤードがユニーク。ノーカラーシャツの下にフードをしのばせたルックや、グラデーションのようにシャツの襟を重ねたルック、首の詰まったシャツと開襟シャツのコントラストを楽しむルックなど、意外性のあるマッチングが散見された。
カラーは、ブラック、グレー、カーキを中心としたシックなパレットが中心。時折、淡いセージグリーンやパステルイエローを差し込み、軽さを出した。全体としてこれらをワンカラー、またはトーンオントーンでまとめることで、素材同士の繊細なニュアンスをより一層引き立て合っている。