2014年10月15日(水)、ヨシオクボ(yoshio kubo)が2015年春夏コレクションを、渋谷ヒカリエにて発表した。
「今シーズンは特にテーマを設けず、自分が表現したいと思ったものを作りました。そこで、面白い着眼点がないかなと思った時に、パッと出てきたのが“漁師”だったんです。あまりそこに目をつけるのってないと思うし。また、そういったテーマ性のあるものに“スポーツ”といった要素を足してユーモアを演出しました」。そう語ったデザイナーの久保嘉男。
まだショーが始まらない会場には、無造作に並べられた8つの椅子と、DJの男が1人。すると、シチリア女性が着るような真っ赤なスカートを身につけた女優、夏木マリが現れた。酒を飲んで酔っ払ったようにランウェイを歩き、ステージ中央を過ぎたあたりで一休み。そして鼻歌を歌いながら、何かを暗示するかのごとくステージを跡にした。
そしてランウェイが照らされると、髭を生やした強面の男が登場。荒波にもまれたようなその佇まいは、まさに漁師を思わせる。そんなマリンの要素は、至る所に見てとれた。例えば王道のボーダーを、様々な色と重ねたり、迷彩柄と組み合わせたりして、ヨシオクボらしく個性的にアップデート。また、くじらのモチーフがブルゾンやインナーに描かれたり、フラミンゴのような鮮やかな色の花柄がパンツやジャケットに取り入れられたり、さらには女性の顔にカラフルなフリンジをつけたりと、沢山の要素が入り交り会場を魅了した。
また今シーズンは興味深い演出も多く、ロープや旗、キャリーケースや杖など、漁師をイメージさせるような小物を随所に取り込んだ。メイクにも余念がない。髭をはやしたり、汚れたようなメイクを施したりと、海と共に生きるかっこよくもたくましい男の姿を想起させた。