2010年10月21日、リストランテASO代官山サロンにてジャズカッツェ(jazzkatze)201S/Sコレクションが発表された。
「ホワイト インガルシア」と題された今コレクション。スペイン西部のケルト民族のスピリチュアルなことを大切にするカルチャーからインスピレーションを受けたと語るデザイナーの周布歩美氏。デザインを考える際は、自ら一つフェアリーテール(おとぎ話)をつくりながら制作していくそう。今回は「旅人達の悲しいラブストーリー」がファッションの背景に隠れているという。
全体的に白を基調としたアイテムが多い印象。そこにはサウダージ(失った喪失感)を伴った郷愁があり、それに対するパレットの色が「白」かったからと話す周布氏。シルエットはミニマルな丈のふわっとしたフレアスカートやワンピースなどが多く見られまた、胸元がV字にざっくりと開いたトップスなども目立った。トップスやワンピースなどの袖口にふわっとしたアクセントがあるのは、植物的なフォルムを表現したかったそう。途中何度もアイテムにあらわれて印象に残った民族的な柄は「キュワリアスカレンダー」というケルトのカレンダーをモチーフにしている。
表向きはフェアリーテール(おとぎ話)世界の表現としているが、実は、その側面として「生と死のエタニティー」という、テーマがあり、愛するものに苦しめられたいといったピュアレスの中にある残酷さといったアンビバレンツの感情をアイテム内に、紐や首周りのアクセントなどを用いて表現したという。周布氏のもつ独特で幻想的な世界観が垣間見れるコレクションであった。