コーチ(COACH)の発表した、2015年秋コレクション。メンズ同様に“アメリカン・オリジナル”がキーワード。
ウエスタンやバイカーといったアメリカ生まれのスタイルに、国を指すアイコンとしての星条旗。クリエイティブ・ディレクターのスチュアート・ヴィヴァースは、そうしたアメリカ固有の文化を、さらりとモダンなワードローブに置き換えていく。首元にはウエスタン風のバンダナ、コートはウエスタンチェック、ざっくりしたローゲージニットには、かつてのカウボーイに見たような、フリンジの飾りを添えて。ライダースやレザーパンツ、バイカージャケットのディテールを取り入れたムートンコートなど、バイカーたちの影響もまた、コレクションを読み解く重要なピースとなる。
とは言っても今季のコレクションからは、昔ながらのアメリカというよりも、どことない今っぽさがより感じられるのも事実。その理由は、アメリカらしさがしつこくなく、同時に“軽やかさ”があるから。ぼってりとしたアウターに合わせるのはひざ上ミニ丈のスカートが基本であり、トップスがコンパクトならスカートはひざ丈で。ひざ下のロング丈の時は、オーガンザ素材を取り入れ、バランスをとる。また、そこに合わせるブーツはフラットかつ、とびきりのボリュームが気分だ。ほかにもブラックレザーのアイテムには、部分的にホワイトを取り入れたり、カラフルなアクセントを加えたりと色合いに軽さを出していくことで、やりすぎない”ほどよい”モダンさを演出した。
それからコーチの代名詞とも言えるバッグ。今シーズンは、レザーのハンドバッグやトートバッグ、ショルダーバッグが登場。シンプルなデザインに、「LUCKY」「Wanted」など手書き風のフォントで味付けし、キュートな魅力を重ねていった。