マルニ(MARNI)は、ランウェイショーやプレコレクションから独立した、カプセルコレクションを発表。2016年春カプセルコレクションの主人公は、ミラノの女性作家。ロンドン風のヴィンテージテイストやロックなムードを織り交ぜて、彼女のクローゼットをひっくり返したような刺激的なワードローブを展開していく。
活力あふれる模様が繰り返し登場し、ぶつかり合う。アイコニックなフラワープリントはレトロな雰囲気を纏い、アイキャッチな幾何学模様とイエローやダスティピンク、レッドを掛け合わせた絵画的プリントがうずめく。
ファッションシティ・ミラノの高貴なイメージは、眩いほどのビジューで表現。ジュエリーを纏うように、ネックラインにびっちりと敷き詰めたスタンドカラーのトップスやポケットにたっぷりと刺繍したスカートが展開。中でも、スポーティなブルゾンを駆け巡るように配した花模様は、花びらの形にカットしたビジューとニットを組み合わせ、温もりの中に挑戦的なスタンスを忍ばせている。
紗のように透け感のある素材を重ねたプリーツスカートや大きなガラスボタン付きのミニスカートで少女のような一面を見せたかと思えば、ハードなパイソン柄の膝丈スカートやリラクシングなパジャマのようなスーツが登場し、リズミカルに表情が変化していく。ウェアの裾は、ローエッジ仕立てにすることで、退廃的な雰囲気が漂っているのも特徴だ。
パイソン柄のトランクバッグや花柄のファーストール、パッチワークのレザーブーツ、クリスタルのイヤリングやブローチ……。ウェアに負けないほど、インパクトの強い小物たちは、自分の好きなものを独り占めしたい少女の心を描くように、折衷主義のスタンスを強めていた。