ジバンシィ バイ リカルド ティッシ(Givenchy by Riccardo Tisci)の2016年スプリングコレクションは、アニマル模様やメタリックカラーが目をひき、プリントや色彩のエネルギーを強く感じるコレクションに仕上がっている。
シルエットは、自由かつ変則的。例えば、落ち感のあるコートの裾から、フリルスカートをのぞかせたり、タイトフィットなノースリーブトップスにボリュームスカートを合わせたり……。意外性のある組み合わせが、フォルム全体に豊かな表情をもたらしていく。
ヘムラインやアーム部分で遊びを効かせたアイテムも多く、扇状に広がった裾を持つベストや、貝のような丸みのある袖のコートなどが揃っている。スリットのアクセントも実に多彩。ロングスカートの太ももまで大胆に配したものや、フリルスカートの膝あたりに曲線状に配したものなど、ランダムなアクセントが、パワフルかつセンシュアルな魅力を引き出している。
加えて、メゾンのDNAともいえる、相反するものの共存は今季も色濃く反映されている。スーツやジャケットから見てとれるマスキュリンスタイルと、ボディフィットなドレスやエアリーなブラウスから感じれるフェミニティ。合わせて、かっちりとしたテーラードジャケットと、デニムパンツやボンバージャケットのようなスポーツウェアが同時に提案されているのも興味深かった。