ジバンシィ バイ リカルド ティッシ(Givenchy by Riccardo Tisci)は、2016年春夏コレクションをフランス・パリで発表した。コレクションのキーワードは、1.イエス・キリスト、2.星とGIVENCYのフォント柄のモチーフ、3.様々なバリエーションのデニム、4.様々なピッチのストライプ、5.キーチェ―ンのモチーフ、6.ニットのスカートの6つ。全体的にはストリート色は抑えめで、大人っぽくエレガントに進化している。
まず目に飛び込んでくるのは、キリストのモチーフ。キリストの処刑される顔のアップがプリントされたTシャツやスカート風の腰巻き、4つの顔を配したジャンプスーツ、チェックのVネックのカットソーなどに落とし込んでいる。
星とG・I・V・E・N・C・Yのフォントを一文字ごとに解体した総柄は、ブルーのステンカラーコート、ショート丈のジャンプスーツ、Vネックのビッグシルエットのカットソーなどで表現。胸からぶら下げたキーチェ―ンは、ストリート感を絶妙に演出している。
中盤には、リカルドにしては珍しいデニムのルックが登場。半身が星条旗柄になったジーンズ、オーバーオールとカバーオールのセットアップ、星条旗柄のスカートなど、キリストの顔が浮かび上がるブリーチデニムなどを見せた。2015-16年秋冬コレクションでは、ボディコンシャスなシルエットだったニットのスカートは、ストリートっぽいルーズなシルエットに変化している。
様々な太さのストライプも目立ったモチーフのひとつ。ベーシックなダブルブレストスーツ、太ピッチのバルカーマンコート、細いチェーンでストライプを表現したセットアップスーツなどが代表的なアイテムだ。カラーパレットは、ネイビー、ブラック、ブルー、ライトブルー、くすんだパープルで構成している。
ウィメンズは、オートクチュール的なオーガンジーの透ける素材のドレスが主役。ラストには伝説のモデルのナオミ・キャンベルが登場し、会場は多いに盛り上がった。ちょっと大人なストリートにシフトした今シーズン。ファンの幅は間違いなく広がるだろう。
TEXT by Kaijiro Masuda(FASHION JOURNALIST)