映画『海のふた』が2015年7月18日(土)より新宿武蔵野館ほか全国で公開される。
原作は、よしもとばなな初の新聞小説として2003年11月から2004年5月まで連載されていた『海のふた』。”かき氷”の店を営む主人公・まりとはじめちゃんの心の交流を描いた作品だ。よしもとばななが毎年夏に家族で訪れ続けてきた西伊豆の海辺の町が舞台。撮影も土肥で行い、都会に住む人々の心に癒しをもたらす映画に仕上がった。
物語の鍵となる“かき氷”の作り方を指南したのは“真冬でも行列ができる名店「埜庵」の店主・石附浩太郎。埜庵の提供する「かき氷」は、天然氷を使用。天然氷との出会いが、かき氷という仕事を選んだ原点と語る石附は、開店から10年経った今も、日光から取り寄せた天然氷でかき氷を提供している。
菊池亜希子と一緒にかき氷を作ってみた時のことを次のように話した。
「最初にかき氷の練習のためにお店に来ていただいたときは、普通の女の子が初めて削った時のように、『わぁ~』みたいな感じ。何杯か削り込んでいくうちに、だんだん彼女の顔が変わっていっていく。自分の知らない世界に対しての好奇心があって、未知の事を“そのままにしておけない人”というのが第一印象。次にお会いしたのは撮影の現場でしたが、持ち込んだ削り機をちょっといじったとき、もう“かき氷屋の女主人”の風格が出ていてびっくりしました。」
こうして上達していった菊池だが、あえて上手く削りすぎないようにすることが意外と難しかったという。
「初めてお店を開く女の子が、はじめから上手に削れるはずはないので、ちょっと下手に作らなくてはいけない。でも、いつもより形を崩して削るのって案外難しい。なんだかんだと悪戦苦闘しながら、納得いくような形に収めたつもりでしたが、仕上がりをみると、それなりになってしまって。」とエピソードを語った。
なお、映画『海のふた』の公開にあわせて、主演・菊池亜希子デザインのトートバッグが2種類登場。バッグには、菊池本人が描いた手書きのイラストを使用。映画に出てくる「糖蜜かき氷」をモチーフに“しろくま&氷”と、「いちごかき氷」をモチーフに"ネコ&いちご“がプリントされている。なお、このバッグはトートバッグ専門ブランド「ルートート(ROOTOTE)」とのコラボレーションバッグで、上映劇場と一部店舗で販売が行われる。
【詳細】
海のふた
公開日:2015年7月18日(土)
原作:よしもとばなな
監督:豊島圭介
脚本:黒沢久子
出演:菊池亜希子、三根梓、小林ユウキチ、天衣織女、鈴木慶一
公開場所:新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
配給・宣伝:ファントム・フィルム
©2015 よしもとばなな/『海のふた』製作委員会
■ストーリー
自分らしく生きる道を探す“まり”と“はじめちゃん”の心の交流を描いたもの。仕事を辞めて都会から戻ってきた“まり”は、急にかき氷店を始めようとするが、ある日の朝、突然母から大学時代の友人の娘である“はじめちゃん”が、しばらくうちに滞在することになったから面倒をみてくれ、と頼まれる。はじめちゃんは顔に火傷の痕が残り、また一緒に暮らしていたおばあさんを亡くしたばかりで、心に傷を抱えていた。いよいよかき氷店が開店するのだが……。